2月定例会で一般質問の機会を頂きました。初めての質問で緊張しましたが、地方創生・本格展開の重要な年、平成28年度を前に、安心して暮らせる地域づくり、TPP対策、少子化対策など、私の視点から質問をさせていただきました。
その質問・答弁の要約です。
ーー 那賀川流域の再生を目指した取り組みについて ーー
Q、那賀川流域における災害に強いまちづくりこそ、「地方創生を導く基盤」であり、2年連続して浸水被害を受けた流域の安全・安心の実現に向け、流域全体で一体的な治水対策を加速させるべき。
A、(飯泉知事) 長安口ダム放流ゲート整備と加茂地区等の堤防整備にスピード感を持って取り組む。森林から海岸まで一貫した総合的な土砂管理による災害防止の取組みをスタート。国等と連携し、治水対策としてダム改造、堤防整備、堆砂対策を三位一体で加速させる。
(コメント) ゲリラ豪雨など激甚化への対応や、持井地区など残っている無提地区の解消などにも、計画的、早急な対策をお願いする。
ーー「需要に応じた米づくり」について ーー
Q、TPP発動となれば、本県農林水産物の影響額は試算で23.5億円であり、米に関しても価格低下の不安もある。さらに近年の気象変化により、一等米比率も低下している。TPPに備え「守り」の観点から、「需要に応じた米作り」をどのように推進するのか。
A、高温環境下でも一等米比率が高い品種「あきさかり」を県奨励品種として本格導入を推進し、所得向上を図る。また、飼料用米については常温保管技術の実証など周年供給体制の確立を 目指すとともに、酒米については新品種による地酒のブランド化を図り需要拡大を図る。
ーー 農林水産物の輸出戦略について ーー
Q、「攻め」の観点から今後市場規模が倍増することが予想される「世界の食市場」へ、本県農林 水産物の輸出をどのように戦略的に進めるのか。
A、本県農林水産物の海外輸出について、 H26年度輸出金額の3.9億円、H30年度に11億円へと目標設定し、ベトナムへ米、米国へ花卉、欧州へゆず・はっさく、中東へハラール商品など、エリアごとターゲット特性に応じた輸出促進に戦略的に取り組む。
(コメント) 産業としてだけでなく、県土保全の観点からも本県農林水産業のTPP対策、成長産業化への取組みを「守り」と「攻め」のバランスを大切に進めて欲しい。
ーー 「LEDバレイ構想・ワールドステージ戦略」について ーー
Q、「LEDバレイ構想」を策定し、関連企業の創出・集積を進めているが、さらにLEDの照明以外の新用途開発に取り組むとともに、県内での人材育成を強力に推進すべき。
A、これまでもウミガメ保護の目的から、アンバー色の道路灯の開発や、紫外線LEDを用いた新たな「LED夢酵母」を育種してきた。高専や大学と連携し、LED技術者の更なる育成につとめ、LED関連産業を本県の基幹産業へ成長させ、雇用の創出に繋げる。
(コメント) 幅広い新分野開拓につなげ、基幹産業として成長するよう取り組んで欲しい。工業高校も含め、県内で優秀な人材が育ち、県内で就職できる連携を望む。
ーー「子ども・子育て支援新制度」について ーー
Q、「子ども・子育て支援新制度」が本格施行され1年となり、事業主体の市町村に今後どのような支援をし、取り組みを行っていくのか。
A、(飯泉知事) 保育所や認定こども園の整備、保育士確保や職場環境の充実を図る。経済的援助のため多子世帯への保育料負担軽減。「小1の壁」を打破するため、放課後児童クラブの第3子以降・ひとり親家庭等への利用料無料化の補助制度創設。(市町村の取組を支援、全国初)
ーー 家庭教育支援の充実について ーー
Q、政策条例検討会議の一員として関わり、「家庭教育支援条例」の提案を予定しているが、今後家庭教育支援にどのように取り組んでいくのか。
A、これまでの保護者を対象とした家庭教育支援の研修会や、高校生のための体験学習等をあさらに推進することに加え、家庭教育推進のリーダーとなる人材を育成し、事業所や地域住民も対象としたフォーラムを開催するなど、家庭教育を支援する気運の醸成を図る。
(コメント) 保育士不足などまだ課題が多いので、国や市町村への働きかけが必要。子ども一人ひとりが輝けるよう、地域や行政が一体となった支援充実を望む。
ーー 犬猫の命を大切にする取り組みについて ーー
Q、県立動物愛護管理センターで殺処分される犬猫は減少してきているが、今後犬猫殺処分ゼロを目指し、どのように取り組んでいくのか?
A、これまでの啓発活動、マイクロチップ装着の推進などに加え、災害時に動物の救護シェルター、物資配布の拠点としても活用できる「譲渡交流拠点施設」を新たに整備する。また新たにTNR活動を支援することとし、野良猫の繁殖抑制を図り、殺処分ゼロを目指す。
(コメント) 命の大切さをしっかりと伝え、早期に殺処分ゼロを達成し、人も動物も健康で快適に暮らせる社会を実現してほしい。
ーー 最後に県南部圏域振興について要望しました ーー
県南においては阿南市を中心市として、今後1市4町で(現在1市2町で)定住自立圏構想を形成し、移住・定住に取り組んでいく。この構想を進めるうえで、那賀川治水対策に加え、地震対策・津波対策も重要な課題である。
また道路網整備も求められており、高規格道の早期南進は人の流れを生み出し、地元地域活性につながり、有効求人倍率の改善になる。スポーツの振興や、地域医療・福祉の充実も含め、県南部への移住・定住の波は全県にも波及するものと考える。
「四国の右下」県南部圏域一体の更なる振興を要望します。