放棄竹林対策で新野での取組を視察させていただきました。
阿南市内に限らず、徳島県内外で放棄竹林が問題になっています。
竹は成長が早く、人が手をかけなければ数年で入るのが困難な状態になります。
また周辺の雑木林や植林地に広がることで樹木を枯らしたり、生態系にも悪影響を及ぼすことが懸念されます。
安い筍が輸入されていることもあり、手入れができておらず荒れた状態の山が多くなっています。
放棄竹林をどうにかしたい! と思っている人達も多いようで、
徳島放置竹林再生事業推進協議会も5年前から新野を中心に取り組んでいます。
放棄竹林を借り、人が入れるように倒れた竹を横に寝かし段々に積み重ねて置いておくと、
次第に腐り肥料になります。降った雨もダム効果で表面を流れることなく、
地面に浸透し保水機能・浄水機能を発揮して、川下や海にも悪影響を与えなくなります。
地面から顔を出すくらいの筍に加え、収穫後半の1㍍程に成長した穂先を切取り出荷することで、
余分な竹の成長を抑えられます。
収穫した筍は、新野の缶詰会社などが買い取り、加工して給食などにも使われています。
また、筍の皮は乳牛の飼料として利用でき、一石二鳥となっています。
この取り組みを始めて5年になるそうですが、国産の安全な筍を求める声もあり、
この缶詰会社へ出荷する農家件数、量や金額も右肩上がりで増え、
放棄竹林対策に加えて地域活性化にもつながっています。
日本全国で筍の缶詰は、18㍑缶で1000万缶の需要があるということですが、
その内国産の筍の缶詰は30万缶しかないようで、まだまだ国産筍の需要はあるようです。
学校給食や老人福祉施設などでの国産筍の利用促進などから、
筍の出荷増加そして放棄竹林の対策につながっていくよう、これから私も取り組んでいきたいと思います。