6月定例会で今任期最後となる一般質問の機会を頂きました。

人口減少、超高齢化社会が進行する中、安心して住み続けられるよう様々な観点から「持続可能」をキーワードに質問しました。その質問・答弁の要約と、私のコメント・考えです。

なお、質疑の様子は県議会HP、私の紹介ページより動画で見ることができます。
https://www.pref.tokushima.lg.jp/gikai/giin/179/

⬛ 糖尿病対策について

<Q> 糖尿病死亡率が4年ぶりに全国「ワースト1位」となった。糖尿病対策を最重要課題として取組んでいるが、本県は予備軍の割合も高く、特定健診受診率向上や意識啓発など長期的対策が必要。市町村等と連携し、ワースト1位脱却に向け今後どのように取組むのか?

<A> 今回の結果を受け直ちに緊急対策会議を開催し、分析や今後の取組みを協議した。高齢者への対策として予防講座の充実や介護施設との連携、食生活改善として野菜摂取量アップへの事業実施、運動不足解消へ「ウォークビズ」の推奨など、糖尿病克服へスピード感を持ち取り組む。
※ウォークビズ…スニーカー等の歩きやすい靴での通勤や勤務

<コメント> 全ての県民が危機意識を持つ啓発活動、若い世代からの運動習慣定着が必要。車社会と糖尿病との相関もあり、今後公共交通の役割も考慮する必要がある。

⬛ 避難所の確保及び避難環境の整備について

<Q> 熊本地震では、直接死の4倍超の方が「災害関連死」であった。関連死を防ぐには、十分な避難所数と快適な避難所環境が必要。津波等による浸水想定、一人当たりのスペース確保を考慮すると十分でない。発災時の避難所確保や快適な避難環境整備にどう取り組むのか?

<A> 復興への第一歩を踏み出すためにも、避難生活の場所の確保と環境整備は重要。国の事業を活用した避難所の耐震化や機能強化に合わせ、県の緊急対策事業で機能強化やQOL向上を支援。ソフト面では「健康管理」の視点を新たに盛り込んだ、避難所運営のワークショップ等を行う。
※QOL…「生活の質」

<コメント> 避難所の容量は不十分であり、更なる場所の確保やQOL向上が必要。国の事業(緊急防災減災事業債、H32年まで)の更なる延長・恒久化を強く求めていくべき。

⬛ 那賀川下流域における治水対策について

<Q> 長安口ダムを含め流域全体での治水対策、災害に強い街づくりが地域発展につながる。上・中流域での治水対策に加え、下流域での流下能力向上や適正な河道管理が重要。安全な堤防を造り、スムーズに洪水を流すことができる治水対策と内水対策を進めるべきと考えるが。

<A> 新たな「那賀川水系・河川整備計画」に基づき、床上浸水対策特別緊急事業を進めるとともに、「総合土砂管理計画」で流れを阻害する樹木の伐採や堆砂土砂の掘削等を行い適正な河川管理に取組む。更に堤防漏水対策や地震津波対策を進め、未来を見据えた川づくりに取組む。

<コメント> 中小河川においても適正な河道管理が必要。無提地区解消に伴い内水による浸水被害増加も想定し、排水ポンプの増加配備も検討する必要がある。

⬛ 県営住宅の管理方針について

<Q> 県下36地区に県営住宅があり、築40年以上のものが多い。雨漏りなど痛みのひどい部屋の増加やエレベーターが無いことなどから、入居者数が減少し自治会活動にも影響している。少子高齢化の中、ニーズの変化をふまえ、今後どのように管理し活性化を図るのか?

<A> 県営住宅の長寿命化計画を策定し、入居時の修繕はもとより外壁の補修や浴槽給湯設備の入れ替え等に取り組んでいる。社会情勢の変化に伴い、少子高齢化や単身者への柔軟な対応、子育て世帯への入居機会の拡大など、有効かつ的確な提供の仕組みを検討してゆく。

<コメント> 県営住宅の役割、コミュニティ持続のためにも改装などの対応が必要。更には修繕費用と入居率とを勘案し、建て替えも含めた検討が必要。

⬛ LED関連産業振興について

<Q> 県ではLED関連企業集積や人材育成を進めており、新宿の常設展示場を改装した。また優れたLED応用製品をお試し購入し、新製品開発や販路拡大を支援している。東京オリ・パラを控え、国内外へ販路を拡大し、関連企業の成長や優秀人材育成を進める必要がある。

<A> 行動計画最終年度となり、販売戦略を加速させる必要がある。常設展示場では商談イベントの充実、藍と組み合わせた高い技術力を発信する。お試し発注は「生きたショールーム」づくりに向けて工夫を加えてゆく。また世界最大級見本市に県ブースを出展するなど販路拡大を図る。

<コメント> お試し発注の予算が少なく十分とは言えず、今後の拡充とともに関連企業の取組みを小中高生に知ってもらえるよう次期計画を立てて欲しい。
※ H27~LEDバレイ構想「ワールドステージ行動計画」 関連企業集積 現151社

⬛ 水産業振興について

<Q> 近年、温暖化や生活環境変化により「水産資源の減少」や「藻類養殖の不作」など深刻な影響が出ている。漁業振興のためには「環境適応戦略」の推進が重要であり、新品種開発などの更なる研究や、漁業現場への技術普及などスピード感を持って取り組む必要がある。
※ 本県沿岸の平均海水温この50年間で約1.5℃上昇、栄養塩濃度は減少傾向

<A> 環境適応戦略の推進が重要であり、高水温耐性ワカメの新品種やワカメ屋内種苗生産技術の普及、「色落ち」対策として県が特許出願している「海藻養殖専用施肥剤」の実用化を進める。また徳島大学、阿南高専との協定に基づき人材育成や研究開発を行ってゆく。

<コメント> 栄養塩減少の中、適応戦略として緊急応急的と中長期的の両面での対策が必要。藻場や漁礁の造成は、養殖漁業や漁獲量回復、更に高波対策につながるものであり推進してゆくべき。

⬛ ジビエ処理加工施設について

<Q> 徳島県の捕獲鳥獣のジビエ利用は、1トン程で流通量はまだまだ少ない。この要因は解体処理できる施設が少なく、流通体制が整っていないためである。狩猟者確保や鳥獣被害対策の観点から、民間の力も活用しながらジビエ処理加工施設を増やすべきと考える。
※ 県のジビエ利活用率、ニホンジカ約3%、イノシシ約1%前後  四国4県で最小、兵庫県の1/100

<A> 近隣に処理加工施設がない県東部から阿南市の空白地域を中心に、県内3箇所で移動式解体処理車「ジビエカー」の導入実験を行う。さらに検討会を立ち上げ、民間の力の活用も含め、新たな処理加工施設の設置を視野に入れた配置・整備計画を取りまとめてゆく。

<コメント> 処理加工施設ができることで、皮製品やジビエの二次加工など新しい産業の創出につながる。ジビエの活用から野生鳥獣の適正管理が進むよう取り組んで欲しい。